あなたは、グループディスカッションを受けたことはありますか?就職活動における選考フローの中で、ESやwebテストの通過後に設けられている選考です。
本記事では、グループディスカッションでの通過率を高めるためのコツを紹介していきます。グループディスカッションの評価ポイントやフローや役割の理解、練習方法を細かく紹介していきます。
この記事の目次
【内定への道】グループディスカッション(GD)のコツ徹底解説
最近では、コロナウイルスの影響によってグループディスカッションを選考フローから無くしている企業もありますが、リモートに対応してオンライングループディスカッションを行っている企業もIT業界を中心に増えてきました。
オンラインに移行しましたが、基本的に重要なポイントは変わらないので今回のポイントをしっかりと押さえておきましょう。
グループディスカッションでの評価ポイント
グループディスカッションを制するには、まず評価しているポイントを知る必要があります。
グループディスカッションでは、個人面接の中では詳しく測ることのできない以下の3点を主に評価しています。
- 問題解決力
- チームマネジメント力
- コミュニケーション能力
それではここから、グループディスカッションの議論のステップを紹介していきます。
グループディスカッションの5ステップ
GDを制するためには、まずはフローを理解している必要があります。なぜなら、議論が始まってからどのような流れで結論まで持っていけばいいのかが頭に入っていなければ、自分はどのように議論に貢献していけばいいかも分からないからです。
初めにGDの5ステップをおさえていきましょう。
1, 前提確認
初めに必ず必要なステップが「前提確認」です。「前提確認」とは、その名の通り、テーマに対する前提をチームメンバーと認識を合わせていく作業です。
前提確認でやることとして、主に以下の3点があります。
- 語句の定義
- 行為者・立場の決定
- 目標の具体化
①語句の定義では、曖昧な言葉の明確な定義を始めに話し合います。テーマ・お題の中で使われている言葉の中に、人によってイメージすることが違うような言葉がある場合に、これらの言葉を自分たちなりに定義づけしながら、議論を進めやすいようにしていきます。
(例)×コンビニ 〇東京駅近くのセブンイレブン1店舗
上記のように、「コンビニ」とかなり曖昧な表現を具体化していくことで、一気にイメージしやすくなります。
②行為者・立場の決定では、「誰が」その問題解決をするのか、誰の立場からその課題に向き合うのかを考えます。例えば、ある課題に対して、政府の立場から行うのか、民間企業の立場から行うのか、市民の立場から行うのかなど、行為者の立場が変わることで、アプローチも大きく変わるため、初めに決めておく必要があります。
③目標の具体化では、目標を数字で具体的に定義しましょう。これは、テーマが定量的に目標を設定しやすい場合に限りますが、必ずやっておくべきことです。
2, 現状分析
前提確認が完了しテーマに関する話し合いを進められる準備が整ったら、続いて「現状分析」を行っていきます。ディベートをしたことがある方なら分かると思いますが、現状分析は議論を展開していく上で重要な土台となる部分であるため、ここでの分析の網羅性がその後の議論の論理性を大きく左右していきます。
現状分析では、主に「因数分解」を行っていきます。「因数分解」とは必ずしも数字で掛け算をするわけではなく、あるものを構成している要素を洗いだして、どのように展開することが出来るかを考えていきます。
(例)売上=客単価×客数 満員電車=需要>供給
上記のように要素を分解して式に当てはめる作業を行います。この際に、要素がぬけないように、また被らないように(MECE)洗い出すことがとても重要です。また、「首都を東京から移転するのであれば、どこに移転するか」のようなテーマの場合には、式を作成することは出来ないかもしれませんが、「首都を置く都市の条件」を洗い出していく作業などを行っていきます。
3, ボトルネック特定
現状分析で様々な要素を洗い出した後に「ボトルネック特定」を行います。そもそもボトルネックとは何かを説明すると、以下の通りです。
ボトルネックとは作業やシステムなどにおいて能力や容量などが低い、または小さく、全体の能力や速度を規定してしまう部分のこと(引用:マイナビ)
つまり、問題を起こさせている最大の要因はどれかを特定するということです。
(例)売上が上がらないのは、客単価に問題があるのか、それとも客数に問題があるのか。客単価に問題があるのであれば、商品単価を上げるか、購入品数を増やすどちらがネックになっているのか。
上記のように、一歩一歩深く深く掘っていくといいです。ここでの深掘りが核心をついているほどその後の施策提案での提案の納得感・論理性が高まると思います。
4, 施策提案
次にいよいよ施策提案です。テーマに対する解決策・施策を提案していきます。
ここでは、「WhatとHowの2軸」で考えることを勧めています。まず「何をするのか」というWhatの軸が重要となります。次に実際にそれをどのように行っていくのかのHowを説明していくといいでしょう。
(例)財源、人的資源、時間など様々な要素をどのように配分して、実行に移していくのかを考えていきます。
グループのメンバーと共に意見を出し合い、皆がある程度納得いくものを出していきましょう。グループディスカッションでは時間を設けられていますが、必ずその時間内に何かしらの成果物を出していくことが必要です。時間がギリギリの場合には妥協案でもいいので、まずはアウトプットを出すことを最低限クリアしましょう!
5, 施策評価
最後に、自分たちが出した施策の評価を行っていくステップを踏みましょう。これを行う理由は、どのような観点で幾つか出た施策を順位をつけ、どのような論理の元、その結論を導き出したのかを明確にすることで、聞き手の納得度を向上できるからです。
そしてこの際に、必ずに評価する上での軸を3つほど用意しましょう。例えば、①「実効性」②「実行性」③「発効期間」の3軸で評価するのも非常に有効的です。
①「実効性」はその施策による問題解決の度合いを評価します。効果のある施策なのかをまずは考えましょう。
②「実行性」は実現可能性を表していて、現実離れした施策ではないかを考えましょう。
③「発効期間」では短期的に行うのか、中長期的に行うのかなど、その施策を行う期間を考えましょう。
ここまでの問題解決のフローは、以下の本に分かりやすくまとめられています。「東大生が書いた」シリーズはどれも非常に分かりやすく、就活生必見なので一度読んでおいて損はないです。
グループディスカッションでの役割
次に、グループディスカッシの流れを理解したら、役割を把握していきましょう。グループディスカッションでは、幾つかメインの役割があり、進行していきます。
必ずしも、「私~~の役割やります!」などの会話がなく自然と自分からそのポジションを取りながら、議論を進めていくという形です。本記事では、主な役割である「リーダー」「タイムキーパー」「書記」の3役割を紹介していきます。
1, リーダー
初めに、「リーダー」からです。リーダーは非常にイメージしやすいと思いますが、議論の中心者として、全体の議論を活発にする役割や、方向性などを考えながら決めていく役割を持っています。
具体的に、リーダーは皆の意見を引き出す仕事や、議論の方向を整理する仕事を担うため最も目立ちがちなポジションでもあります。議論の始まりから先導して、話の道筋や意見の交換を促す大きな役割を果たします。
ただ、一点勘違いしてほしくないのは、リーダーになれば選考に通ると考えている人です。リーダーは良くも悪くも目立つポジションなため、議論に大きく貢献し、チーム全体のアウトプットの質を高めた行動をした場合には大きく評価されますが、非常に難しいポジションでもあります。
他者に意見を振って、グループ全体の解の精度を向上させる工夫が求められます。
2, タイムキーパー
次に「タイムキーパー」です。タイムキーパーはその名の通り、時間を測りながらグループ全体に残り時間を促す役割を持ち、タイムマネジメントに大きな責任を持っています。
地味なポジションに見えて役割は非常に重要です。限られた時間の中でグループの意見をまとめるには、タイムマネジメントはとても重要で、タイムキーパーは常に意識しながら議論を組み立てていく必要があります。
残り時間が少ない場合には、無理やりでもまとめに話を持っていき成果物を出そうとするなど、アウトプットを出すために時間的な観点からチームに大きく貢献することで高い評価を得られます。
3, 書記
最後に「書記」です。書記は、グループでの議論を紙にまとめながら、論理展開を整理していく役割を担います。周りの議論を紙に残しておく書記は、素早く書きながらも周りの意見をグルーピングしていく作業を同時にできるといいです。
「A君とBさんの意見はこの点が共通している」等と論点を整理することで、結論を導きやすい環境を整えることが出来ます。
最近では、オンライングループディスカッションにシフトしつつあるから、必ずしも書記がいるというよりかは、全員がメモを取りながら議論を進めるパターンか、Google documentsなどでメモを共有しながらディスカッションしていくことが主要になりつつあるみたいです。
ここまでのグループディスカッションに関する役割などは、また「東大生が書いた」シリーズにございますので気になる方はチェックしてみて下さい。
グループディスカッションのスキルを高める方法
それではここからは、グループディスカッションの流れや役割を理解したところで、具体的にどのようにアウトプットをしていくのか、練習を行っていくのかを紹介していきます。
ただ理論を理解しただけでは何事もうまくいきません。考えながら実践して練習する中で、徐々に自分自身のスキルも高まっていくと思うので、フロー・役割を理解しただけで満足せずにしっかりと練習をしていきましょう。
1, 友達と練習する
初めに、友達と共に練習するというのが挙げられます。なるべく就職活動に向けて一生懸命に頑張っている友人のほうがいいです。共に頑張る同士と、お題を出し合いながら時間を測って本番さながらで行うといいと思います。
友達と行う場合は比較的ハードルも低く、始めやすいのではないでしょうか。ゼミなどのコミュニティを活用して行うのもいいと思います。友達と練習を何度もする中で自分の型を見つけましょう!
2, 一人GDを行う
次に、1人で行うパターンです。すぐに多くの友人を呼べないという方もいらっしゃるかと思います。そんな場合には、ネットにあるお題を調べ、自分ならどのように解くかを考えてみましょう。
楽天が運営する「みんなの就職活動」では稀に書く企業のグループディスカッションのネタが共有されることもあるので、要チェックです。
一度似たようなお題について考えたことがあると、本番でもスムーズに論理を組めると思うので、多くのお題に取り組んでおくことが重要だと考えます。
3, GD練習サービスに参加する
企業が運営するサービスの中には無料で受けられるGD練習のサービスがあったりします。特におすすめはDEiBA companyが運営する「出会いの場」です。恋愛の出会いではなく、就活生が集まりグループディスカッションの練習をすることが可能です。
1日に複数回グループディスカッションの練習ができるので、数をこなしたい方には非常におすすめのサービスです。
4, 本番で経験を積む
最後に、一番経験値を積むことができるのは、やはり実践の場だと思います。第一志望の企業を受ける前に、志望度の低い企業の選考を受ける中で訓練を積むのが良いと思います。
また、第一志望の選考前に内定を持っていると精神的な安心にも繋がるため、おススメしています。就職活動では、精神的な負担をいかに減らしていくかが重要なカギとなっています。
第一志望の企業1本だけに絞ってしまったりすると、プレッシャーが大きくかかりすぎていつも通りのパフォーマンスを出せない事も多くあるため、そのあたりのケアも心がけていきましょう。
まとめ
本記事ではグループディスカッションの選考通過率を向上させるために、理論的な部分からアウトプットの質を高める練習の方法などを細かく紹介していきました。
何度も書きましたが、現在ではオンラインでの開催が主流となっているのでこれまでとは違いやりにくい部分も多くあるかもしれませんが、今回の記事にまとめたことは必ず活きるので、手を抜かずにしっかりと対策を行っていきましょう。
またオンライン選考での気を付ける点などもまた別の記事でアップしていきますので、チェックしてみてください。