現在は購買業務に従事していますが、採用担当も経験しています。
学生時代はBtoBメーカーを中心に就職活動をし、複数企業から内定を得ました。
就職活動を戦っていく上で最も重要なのは、必要な情報をいかにして確保していくか。現在の就職活動は、就活サイトへの登録から始まると言えるでしょう。中でもリクナビは掲載企業数が日本最大の就活サイトということもあり、まず登録してみる学生さんも多いと思います。
でも実際に登録してみると「使い方が分からない…」「登録されている企業が多すぎて選べない」「他のサイトも登録した方がいいの?」という悩みを耳にすることもしばしば。今回はリクナビを使いこなす方法や、就活サイトに関する疑問にお答えします。
この記事の目次
リクナビってどんなサイト?
まずはリクナビの大まかな特徴や、代表的な機能をご説明します。
リクナビの特徴
リクルートグループが運営するリクナビは、インターネット黎明期の1996年からサービスを開始し、2000年代以降はご存じの通り新卒採用市場で大きな影響力を持つサイトになっています。
リクナビの最大の特長はその掲載企業数。掲載企業数は2019年から連続して3万社を超えており、就活サイト最大の企業数を誇ります。また、その歴史の長さや、リクルートが就職活動に留まらない人事コンサルタントサービスを企業に提供していることもあり、リクナビは掲載企業との関係性が強く、企業からの情報が正確で更新が多い印象を持ちます。
上述した通り、就職活動は情報戦です。固定観念に捕らわれずに社会にどのような企業があるかを知り、その中で自分の志向に合った企業を選び、タイムリーに選考を進めていくためのデータベースとして、リクナビはよくある「登録したまま」にならない、頼りになる存在です。
また、リクルートグループは元々WEB事業に強いこともあり、リクナビはサイト・アプリデザインが洗練されているのも特長の一つです。膨大な情報を検索する上でユーザーが負担を感じにくい設計になっているので、忙しい就活生にとって使い勝手がいいサイトと言えるでしょう。
それでは具体的に、リクナビの便利な機能を見ていきましょう。
・掲載企業との関係の深さ → WEBテスト機能、OpenES
・デザインの見やすさ
1.サジェスト機能
そこで、リクナビのサジェスト機能を使用してみましょう。リクナビの掲載企業数の多さが発揮されるこの機能は、貴方がエントリーした企業に近い業界や、規模・立地が似た企業を勧めてくれます。
興味を持っている企業と共通点がある企業にもエントリーをしておけば、両社の比較や研究を通して、より選考の中で自分が話す内容に厚みを持たせることができるはずです。
勿論、サジェスト機能は就職活動終盤に選考が進んでいる企業が減ってきた時にもお勧めです。今まで気付けていなかった、自分に合う企業が見つかるかもしれません。
2.WEBテスト機能
リクナビではこのSPIをベースにした適正検査をWEB上で受験できる機能があるのをご存じですか?言語・非言語検査ともに手軽にできるボリュームですが、内容は同じリクルートグループということもありとても本格的です。
SPI攻略の第一歩は、まずその独特な出題形式に慣れること。分厚いSPI問題集に手を付けて心が折れる前に、WEB試験で自分の得意分野・不得意分野を把握しておけば、効率的にSPI対策ができます。
更にSPI検査と言えば能力検査に目を向けがちですが、リクナビでは性格検査のトライアルもすることができます。就職活動をする上で自己分析は必須になってきますが、なかなか自分を客観視することは難しいもの。頭の整理を兼ねて、WEB試験で自分の強みを見つめ直せば、より説得力のある自己PRを作成しやすくなります。
更にWEB試験では自分の強みを評価してくれる傾向のある企業をサジェストしてくれるので、就職活動がうまく進まない時の気分転換にもお勧めです。
3.OpenES
OpenESは、予めWEB上に登録しておいたESを複数の企業に送付することができるサービスです。1つのESを複数企業に使い回すことができるので時間の節約になり、様々な企業にエントリーするハードルが下がる効果も期待できます。
導入している企業はまだ4千社程度に留まっているようですが、今後広がりを見せる可能性が高いサービスと言えるでしょう。
4.多彩なオンラインイベント
中でも最も効率的なのは、WEB説明会。移動時間が必要なく、録画式の説明会であれば気になる部分を繰り返し聞くことができるなど、WEB説明会は忙しい就活生の味方でもあります。
リクナビは昨今の時流を受けて、オンラインでの合同説明会を開催するだけでなく、個別にWEB説明会をしている企業を一覧でまとめており、サイト上でスケジュール管理もしてくれます。時間的な制約が少ないWEB説明会は、様々な企業を気軽に覗けるのも大きな魅力なので、是非視野を広げるのに役立てて下さい。
更に、段階が進むとWEB面接を受ける機会も増えてくると思います。WEB面接は動作環境や話し方など、直接顔を合わせて行う面接以上に慣れが必要です。リアルタイムのWEB説明会では積極的に社員に質問をしてみるなど、是非操作に慣れておいて下さい。
リクナビと他就活サイトの比較
リクナビとマイナビとの比較
また上場企業を受ける上でも、例えば同業や取引先の中小企業まで理解が及んでいることをアピールするのは、志望度の高さや情報感度の高さをアピールする上で非常に有効な手段です(上場企業の採用担当者はつい「大企業というだけでとりあえず受けているのでは?」という疑いを持ちがちです…)。就活生として取りこぼしておきたくない中小企業を広くカバーしている点で、リクナビにはアドバンテージがあると言えます。
また、掲載企業の属する業界の傾向も基本的には大きく変わりませんが、商社とサービス業では、商社(リクナビ約4千社/マイナビ約5千社)、サービス業(リクナビ約1.5万社/マイナビ約9千社)と差異が認められます。伝統的にマイナビは専門商社に強いので、商社を志望している就活生の方は登録してみるといいかもしれません。
更に、やはり気になるのが登録学生数。マイナビは登録学生数でリクナビを上回っていますが、その差は地方就職へのフォローの厚さにあります。大規模都市圏で合同説明会をすることが多いリクナビに対して、マイナビは各地方の中心都市でもセミナーを開いており、U・Iターン就職にも特集を組むなど力を入れていると言えるでしょう。
しかし、主要都市以外に所在する掲載企業の数は、リクナビが1.6万社、マイナビが1.2万社と、比率は両者ほぼ変わらず、企業数はやはりリクナビの方が多いのが実情です。また、新型コロナウイルス影響を受けて、オンラインでのセミナー開催がメインになっていることを考えると、地方就活での優位性には差はないようです。
就活サイトは複数登録すべき?
ただしリクナビはベンチャー系や外資系企業の掲載が少ないので、このような企業への就職を検討している方は、「外資就活ドットコム」など専門のサイトに登録することをお勧めします。
ベンチャー系や外資系企業の採用活動は、一般的な日系企業よりも前倒しで始まる傾向にあるので、とりあえず登録しておいて就職活動への感度を高めておくと良いかもしれません。
複数内定を獲得した私の使い方
就職活動の序盤の志望企業の一時保管フォルダとして
一つ目は就職活動の序盤の志望企業の一時保管フォルダです。私は当時漠然とメーカーを志望していたのですが、とりあえず足を運んだ合同説明会でメーカーの企業数に圧倒され、自分の知識不足を痛感しました。
対策として会社四季報の業界地図を購入し、自分が少しでも興味を持った業界があれば、とりあえず各業界上位5社ずつをリクナビでプレエントリーし、後は私の傾向を踏まえてサジェストされた企業を追加していきました。
プレエントリーをすることで企業研究に入る前に各企業の大まかな情報を入手できたので、自分の志望企業を絞っていく上で役に立つと同時に、就職活動が本格化する前にかなり手札を増やしておけたと思っています。
志望業界が固まってきた頃のデータベースとして
二つ目は志望業界が固まってきた頃のデータベースです。リクナビの企業検索方法には「この業種を特に力を入れている企業」と「この業種に関わる企業全て」の2通りがあります。通常は志望企業を探すために前者を使用することが多いですが、後者を選ぶと希望している業界と取引関係にある可能性の高い企業がヒットします。
エントリーする気はなくてもその企業の紹介ページに目を通しておくことで、自分の志望業界の取引先の知識を得られるので、営業職社員などと面接をする際には客先のイメージが掴みやすく重宝しました。
入社後私は採用活動にも従事しましたが、BtoBメーカーは生産した「モノ」を軸に他の会社と繋がることが会社の基本にあるので、当社だけでなくその購買元から売先まで含めた視野を持っている学生さんには共感を覚えます。
面接直前の頭の整理用に
三つ目は面接直前の頭の整理です。就職活動も佳境になると一日で複数企業の面接を受けることが増え、頭が混乱しがちでした。そこで私は、面接直前は喫茶店でコーヒーを飲みながら今までの面接内容をまとめたノートと、リクナビの企業紹介ページを読むようにしていました。
企業紹介ページはそれぞれの会社の人事担当者が、事業内容・求めている人物像を簡潔にまとめています。(社会人になって改めて目を通すと、自社のエッセンスをコンパクトにまとめようとする担当者の熱意を感じます)。
就職活動中盤以降はつい些末なことやマニアックなことに意識が向きがちなので、企業紹介ページを読みながら「今の自分の考え方は、企業が求めている人物像に合うだろうか?」と自問することで、頭をクリアにして面接に望めたと思います。
まとめ
就活サイトを駆使することで多くの企業を知り、そして自分がこれから働きたいと思える企業を見つけて下さい!