【グループディスカッション】出題テーマ4選を採用担当が解説

近年、面接の採用ステップの中で必ずと言って良いほど「グループディスカッション」を取り入れている企業が増えています。具体的に、グループディスカッションとは何なのか、企業側が実施する理由やタイプ別の解説などをわかりやすく説明したいと思います。

 本記事では、学生時代に最終面接到達回数15社以上内定企業10社以上獲得の経験と実際に企業で採用を担当して培ったノウハウを元に、皆様に自信を持ってグループディスカッションに望めるような情報を提供したいと思っております。

Rei
学生時代は、IT、メーカー、金融、コンサルなど幅広い業界で就職活動していました。
現在はキャリアコンサルタントとして活動中です。

【グループディスカッション】出題テーマ4選を採用担当が解説

グループディスカッションとはそもそも何かや、採用側の目線に立ってどのような狙いがあるのかから学んでいく事でより学びになるかと思います。

グループディスカッションとは?

 それではまず最初に、グループディスカッションとは何か?基礎知識について説明したいと思います。

 一般的な企業では書類選考に通過した次のステップとして面接を複数回実施するという流れが通常ではないかと思います。面接の型としては、グループディスカッション・集団面接・個人面接がありますが、その面接の一番最初に取り入れられることが多いのが「グループディスカッション」です。

 グループディスカッションの人数構成としては、5名〜10名程度です。実施時間は20分〜1時間程度です。その中で、テーマについて集団で話し合いグループとしての答えや意見をまとめるというものが一般的です。

 最後に発表の場を設ける場合もあり、その場合は代表者が意見をまとめて発表します。

グループディスカッションを選考に取り入れる理由

 近年、企業が採用面接においてグループディスカッションを取り入れる確率が増えています。集団面接の前になぜ、グループディスカッションを実施するのでしょうか。

 人気の企業では応募者が多いため、一度に大量の応募者を選考するためにグループディスカッションを実施したり、チームワークや協調性を見るためだったり様々なメリットが存在します。

 では採用担当がグループディスカッションを取り入れる、その一番の理由を以下で解説します。

自社にあった人材を見極める

 なんと言っても、企業の採用担当としては、内定を出した後の内定辞退をできるだけ抑えたいという思惑を持っていますというのも、一人を採用するまでに時間やコストがかかるので、その貴重な時間とコストを極力無駄にしたくないと考えています。

 できるだけ自社にマッチした人材を採用したいと思う一方、なかなか面接だけでは応募者の本当の姿を見るのは難しいのが本当のところです。そこで、バリエーションを変えた「グループディスカッション」で普段の面接とは異なる角度から応募者を選考しています。

 では、具体的に応募者のどのようなスキルを注視して見ているのでしょうか。5つのポイントをご紹介したいと思います。

1コミュニケーションスキル

 仕事を円滑に進めていく上でとても重要なスキルがコミュニケーション能力です。社会人になって実際に働いてわかることが多いですが、仕事は一人ではなかなか進めることができないことが多いです。普段の生活でもそうですし、社内の人間関係や社外での人付き合いなどビジネスには必要なスキルですよね。

 最近では、多くの企業がこのコミュニケーションスキルを重視して採用していますので、グループディスカッション時には意識したいポイントです。

2志向性

 「志向性」という言葉は面接や適性検査などでその人の人柄や性格、価値観などを判断する際によく使われる言葉です。つまり、グループディスカッション中にどのような意思決定をして物事を進めていくのか。どのような考え方を持って周りと話を進めていくのかを見極められています。

 また、会社の雰囲気と合っているか社員に溶け込めるかどうかも判断しています。これらの志向性は入社してからの初期配属、教育段階や人事異動にも関わる大切な要素です。応募者の志向性を見るには、グループディスカッションがうってつけと言えるでしょう。

3ストレス耐性

 現代社会において、ワークライフアンドバランスや生活の質(QOL)の重要性が叫ばれていますが。社内会議や取引先との調整や営業など、社会で働く上で精神的不安やストレスを感じている人の割合は非常に多いです。また、こういった不安やストレスによって会社を辞めてしまう人が多いのも事実です。このストレス耐性は今までの人生経験やその人の性格による部分が大きいと言えます。このことを踏まえ、応募者のストレス耐性を重視する会社が増えています

 グループディスカッションでは、初めて会う者同士で決められたテーマに沿って話し合い、答えを導き出すことが求められます。このストレスのかかる状況において、応募者がどのように対処し行動していくのか採用担当は見ています

4仕事の進め方

 入社後に仕事の進め方が異なっていたり、自分勝手なやり方をすると周りの社員に負荷が生じ、適切な組織運営に支障をきたす恐れがありあます。入社したら先輩社員から仕事を教わり、他の先輩社員と一緒に仕事を進める機会もあると思います。

 グループディスカッションでは、報告・連絡・相談ができるか。周りに合わせて仕事ができるか協調性が備わっているかどうか判断しています。周りのメンバーの反応を観察しながらグループディスカッションに臨みましょう。

5企業文化適合度

 企業では、独自の文化や伝統が根付き、社員がそれを継承することで会社を発展させています。すなわち、これから入社するであろう応募者がその企業の風土や文化にマッチし、会社に貢献してくれるかどうか採用担当は注意深く見ています。

 応募者が企業理念や職務内容に共感していて、ずっと働いてくれるかどうか見極めることで企業側としては離職率を抑制をしたい狙いがあります。

グループディスカッションの基本的な進め方

 それでは、グループディスカッションの基本的な進め方について説明したいと思います。グループディスカッションには大きく分けて4つの流れがありますので、順を追ってお話します。

1. テーマの提示

グループディスカッションのテーマが予め設定されおり、そのテーマに沿って話し合います。その際に制限時間やルールについて採用担当側から補足がある場合もあります。

 

2.テーマに対する議論

設定されたお題に対して、グループのメンバー全員で議論します。なるべく全員が発言し、中身の濃いディスカッションになるようにしましょう。ひとりよがりの発言や行動は控えて根拠に基づいた意見を述べるようにしましょう。

 

3.結論を固める

全員で話し合った内容をまとめ、グループで一つの答えを導き出します。

※答えが一つと限らない場合もありますので、その際はそうなった理由もしっかりと付け加えるようにしましょう。

 

4.発表

基本的なグループディスカッションでは最後に発表をする機会があります。その際にはグループの代表者が簡潔に内容をまとめて発表します。

グループディスカッションの役割

 基本的なグループディスカッションにおける役割分担について説明します。

議長(リーダー)

 最も重要なポジションが、話し合いをまとめながら答えを導き出す能力が求められる議長です。話し合いの内容がそれないように上手くコントロールしたり、全員が話し合いに参加できているかどうか全体を把握しながらグループディスカッションを進めていく役割が求められます。

 上手くリーダーシップを発揮できれば、目立つポジションなのでかなりアピールできるでしょう。

タイムキーパー

 制限時間内に話し合いを決着し、結論を発表できるように時間管理をしながら立ち回るのがタイムキーパーです。必要な時には話を遮ってでも時間管理をしながらグループディスカッションを成功に導く役割を担っています。ビジネスの場面においても限られた時間の中で成果を出さなければいけない場面が多々あるので、必然的にグループディスカッション内においても成果を出す必要があります。

書記

 実際の現場では一人ひとりがメモを取り、発言をしてグループディスカッションを活性化させていく必要があるため、必ずしも書記は必要な役割ではないですが、ここでの書記の役割は、最後の発表のために内容をまとめるポジションと捉えてください。

 議論の内容や全員の意見を簡潔に記録し、最終的な答えを出す際に必要となる要素をまとめていくといいでしょう。発言をただ記録するのではなく、ポイントを抑え、最後に結論を出すときに参考になるように記録していくことが求められます。

役割外

 これは、どのポジションにも当てはまらなかった参加者を指します。議長・タイムキーパー・書記になれなかったとしても選考に不利になるということは全くありません。実際に私が就職活動をしていた際に、役割外になったこともありましたが、何社も通過した経験があります。

 グループディスカッションは参加者全員が発言しやすい雰囲気を作り、建設的な話し合いができるようにすることがとても大切です。そのため、意見を述べている人への共感であったり、相槌など役割がない人でもアピールポイントはたくさんあるのです。メンバー全員で一致団結して同じ目標に向かって議論することが求められます。

クラッシャー(壊し屋)

 一番なってはいけないポジションはこのクラッシャー(壊し屋)です。どういうことかというと、テーマを否定したり、話を途中で遮ったり、自分の意見だけを主張したり、周りのメンバーとの協調性がなかったりするパターンです。

 このようなタイプの応募者はなかなか少ないとは思いますが、もしこのクラッシャーと同じメンバーになってしまったら、頭ごなしに否定するのではなく、まずは相手の話を聞いてから目的やテーマとずれてしまっていることを伝え、ディスカッションの内容に沿った議論ができるように誘導しましょう。

グループディスカッションの出題テーマ4別

 グループディスカッションの基本的な出題形式は以下の4つです。テーマ別に説明していきます。

選択型

 まずは、「選択型」です。これは、二つ以上の選択肢の中からチームで一つの答えを選ぶというパターンです。話し合いの中で必ず支持が分かれるので、上手く意見をまとめながら時間内に結論を出すことが求められます。

 

例題

・住むなら「都会」か「田舎」か。

・大切なのは「友情」か「お金」か。

・「和食」と「洋食」どちらの飲食店を経営するか。

・オリンピックの開催地を選ぶとしたらどこにするか。

・海外に誇れる「食」は何か。

 

意見をまとめて発表をする上で、重要なポイントは以下の3つです。

1.テーマの明確化
何を問われているかを捉え、方向性を決める。
2.選択肢の比較
選択肢のメリット・デメリット両方を洗い出し議論を活性化する。
3.選択肢の決定
議論を深め、明確な理由付けをして選択肢を選ぶ。

課題解決型

 次に「課題解決型」です。これは、与えられた課題を解決する方法を考えるパターンです。

 

(例題)
・自社製品を海外へ売り込む方法。

・製品の認知度を上げるには。

・旅行業界に必要な新しい旅のスタイル。

 

意見をまとめて発表をする上で、重要なポイントは以下の3つです。

1.テーマの明確化
何を問われているかを捉え、方向性を決める。
2.現状課題と分析
現状の課題と分析を議論し解決方法を出す。
3.原因特定と解決策の立案
議論を深める上で、根本の原因とその解決策を立案する。

 

自由議論型

 次に、「自由議論型」です。これは、与えられたテーマに関して自由に議論して解決策や方法を考えるパターンです。

 

(例題)
・日本を外国人に紹介してください。

・いいサービスとはなにか。

・人間関係で一番大切なこと。

・一風変わった修学旅行とはなんでしょうか。

・オリジナルメニューを作成してください。

 

意見をまとめて発表をする上で、重要なポイントは以下の3つです。

1.テーマの明確化
何を問われているかを捉え、方向性を決める。
2.意見出し
様々な意見を全員が出し、議論を活性化する。
3.評価・決定
それぞれの意見や考えを評価し、明確な理由付けをして決定する。

 

チームビルディング型

 最後に、「チームビルディング型」についてです。このパターンは正解のないお題に関して話し合い、結論を出す内容です。メンバー全員の意見の一致が求められ、チームワークが試されます。

 

(例題)
・会社が社会に与える影響は何か。

・幸せの定義。

・最短で大阪まで行く方法。

・働くとは。

 

意見をまとめて発表をする上で、重要なポイントは以下の3つです。

1.テーマの明確化
何を問われているかを捉え、方向性を決める。
2.意見の尊重
それぞれの意見に対して批判的な考えを持つのではなく、尊重し合う。
チームワークの醸成を意識する。
3.討論の着地と決定
時間管理を徹底して行う。
議論を深め、明確な理由付けをして選択肢を選ぶ。

 

まとめ

 ここまでお読み頂き、ありがとうございました。この記事が就職活動をしている方々の活力に繋がれば嬉しい限りです。

 本記事では企業で採用を担当した私が「グループディスカッションの出題テーマ4選」と題してグループディスカッションを控える方に向けて、詳しい内容と出題されるタイプなどについて紹介して参りました。これらの内容が就職活動や転職活動を目指している方の助けに少しでもなれば幸いです。

 最後に、グループディスカッションで最も大切なことは、あなたの意見を積極的に発信しつつ、他のメンバーの話を共感の気持ちを持って聞くことができるかどうかです。

 あなたの就職活動が上手くいきますように!!

 

おすすめの記事