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近年、就職市場は売り手市場であると言われておりましたが、一転、多くの企業の業績悪化などで厳しい状態に陥っており、採用自体を見送りする企業も出てきています。
本記事では、学生時代に最終面接到達回数15社以上、内定企業10社以上獲得の経験と実際に企業で採用を担当して培ったノウハウを元に、OB訪問の進め方やOB訪問時に知っておいて頂きたい内容、抑えておいて頂きたいポイントを提供いたします。
これから就職活動を控えている方や転職でのキャリアアップを考えている方へのヒントやモチベーションUPになれば幸いです。
現在はキャリアコンサルティングとして活動中です。
【OB訪問のメール】これを読めば必ず分かる!間違えない送り方
今後の就職活動の成功を左右するのに必要な能力は、自らの積極的な行動であると言えます。OB訪問は代表の1つであると思います。
OB訪問とは?
それではまず最初に、「OB訪問」とはなんなのでしょうか。解説していきたいと思います。
OB訪問とは、大学の卒業生や知り合いなどが働いている会社の仕事内容を詳しく聞いたり、会社の風土や雰囲気を教えてもらうために行う就職活動における一つのアクションです。
OB訪問が必ずしも採用に直結するかというと、そうとは言い切れませんが就職活動において重要な位置付けであることは間違いありません。
OB訪問開始時期はいつ?
では、OB訪問はいつまでに実施できると良いのでしょうか。面接解禁までの流れを順を追って説明します。
基本的に、経団連に所属している企業の多くは面接の解禁を8月と設定している場合が多いです。(もちろん8月よりも前に面接をスタートする企業も数多く存在します。)面接の前に書類選考があると考えられますので、書類選考での絞り込みは5月もしくは6月頃には終了します。
ですので、OB訪問は3月か4月頃には実施し、志望する企業に対する理解度を深められると書類選考やその後の面接に向けて良い準備が整うかと思います。早め早めに事前に準備をすることが就職活動成功のカギとなるのです。
OB訪問をするメリット
私が学生時代には、OB訪問をする人としない人の割合は約半分ほどだったと記憶しています。ちなみに、私は学生時代にOB訪問をした経験が実際にあります。その実際の経験からOB訪問をするメリットは何か説明いたします。
社員の生のリアルな声
実際に企業で働いている社員の「生のリアルな声」を聞けるということです。
就職活動を進めていく中でどの業界で将来働きたいのか迷うことがあると思います。また、数多くの企業をリサーチしていく中で、なかなか自分で調べるだけではわからないことも出てくると思います。実際に働いているOBに質問できる機会があればそのような疑問を解決することができるかもしれません。
OB訪問を利用することで志望動機を作ることができ、その結果、就職活動の軸を定めることができるでしょう。企業の採用担当から聞けない話も聞くことができるかもしれません。
面接までの予行練習
「本番の面接に向けての予行練習」として捉えることができるということです。どういう意味か解説します。
OBの先輩といっても初対面の場合が多いと思います。また、社会に出て働いている社会人と会話できるチャンスは滅多にないのではないでしょうか。最近では企業が求める人材の1位に「コミュニケーション能力」がランクインしています。
社会人と実際に会話していく中で、会話を選びながら質問したり、深く掘り下げた会話をしたりするその経験がビジネスレベルにおけるコミュニケーションの取り方の練習に繋がるのです。
また、こういった経験の積み重ねが面接でも緊張しないで、自分の想いをうまく伝えられるということに繋がってくると言えます。
具体的な仕事内容について聞くことができる
就職活動を進めていく中で、志望する企業についてなんとなくわかってきた段階で一番気になるのは、どのような仕事を実際にしているのかだったり、業務量、仕事の内容についてなのではないでしょうか。
実際に働いてみないとなかなか分からないことに関してもOB訪問を実施すれば社会人の率直な意見を聞くことができます。企業に対する不安を払拭することも可能です。
私も、OB訪問で気になる点や不安な部分について質問したことで心がスッキリし、自信を持って採用面接に進むことができたという経験があります。
OBの探し方
ここまで読んで頂いたみなさんは、OB訪問のメリットについて理解できたと思いますが、実際にOB訪問をする前にはOBを探さなければなりません。一般的なOBの探し方についてご紹介します。
①大学のキャリアセンターを利用する方法
大学のキャリアセンターでは必ず卒業生に対して就職先に対する質問などを実施し、OB訪問が可能かどうか卒業生に確認しています。ですので、各大学のキャリアセンターでは卒業生の就職先の情報などを登録したデータベースがあります。志望する企業のOBがいれば大学のキャリアセンターを利用することで検索し連絡を取ることが可能です。
②身の回りの知り合いを辿る方法
部活やサークルの先輩など自分の知っている人にOB訪問を申し込む方法です。この方法では気軽に連絡を取れるという点でとても探しやすい方法だと言えます。また、知り合いの知り合いなど人脈を広げてみるのも良いかもしれません。
③企業の人事担当や採用担当に直接依頼し、社内のOBを探してもらう方法
この方法は企業の人事部などへ直接メールや電話で問い合わせるというものです。ですが、企業によってはOB訪問等の要望にはお答えしていないという場合もありますのでご注意ください。
OB訪問のやり方に関しては、以下の記事に細かくまとめてあります。
また、OB訪問アプリの活用方法に関して以下の記事にあります。
OB訪問メールの抑えるべきポイント4点
実際にOBを見つけたら次はOB訪問の申し込みの連絡をすることになりますが、メールで連絡する際には社会人として最低限のマナーがあります。その最低限抑えておくべきポイント4点について説明いたします。
①送信時間帯
OBの先輩へのメールの送信時間帯はできる限り、午前中に送信することをおすすめします。なぜかというと、基本的な社会人はまず出社したら一番最初にメールチェックから一日の仕事が始まります。そのため、午前中にメールを送信した方が確認されやすくその後のアポイントを取るまでのやり取りがスムーズに進みます。
※休日にメールの送信をするのは控えましょう。
②返信のスピード
メールを送信して返事を受け取ったらなるべく早く、その日中にメールの返信をすることを心がけましょう。返信が遅くなるにつれて相手方に予定が入ってしまい、再度アポイントを取り直す必要が出てきてしまいます。無駄なやり取りが増え、相手方に迷惑がかからないように注意しましょう。
③誤字脱字
必ずメールを書いたら内容を読み直して誤字脱字がないかチェックしてからメールを送信するようにしましょう。
誤字脱字ががあることによって、相手方に雑な印象を会う前から与えてしまうことになります。これは社会に出て働く上でとても大切な要素なので、社会に出る前のトレーニングだと考えて、メールのリチェックを習慣付けましょう。
④アポイント直前の急な日時変更
メールのやり取りで確定したアポイントの変更はできるだけ避けましょう。直前の連絡になると日時変更の連絡に気づかなかったり、そもそもスケジュール調整ができなかったり多大な迷惑をかけてしまうことになります。
どうしても変更しなければならいな場合は、事前に余裕を持って電話で連絡しましょう。
OB訪問メール基本の書き方
それでは、初めてメールを送信する方でも分かりやすい一般的なOB訪問のメールの書き方について例文を紹介します。メールの構成は、宛先、件名、宛名、本文、署名の5つに分けることができます。
OB訪問メールのお願い
海外事業部 海外事業開発課
△△ △△様
初めてメールをお送りいたします。
来週までの月曜日から木曜日の間で△△様のご都合の良い日時をお知らせ頂ければ幸いです。
〇〇大学 〇〇部 〇〇学科
△△ △△(氏名)
携帯番号:080-1234-5678
メールアドレス:〇〇〇〇@△△△△.ne.jp
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質問の事前共有メール
海外事業部 海外事業開発課
△△ △△様
〇〇大学 〇〇部 〇〇学科の△△ △△と申します。
この度は、ご多忙の中OB訪問をお引き受けくださり、誠にありがとうございます。
・質問
何卒よろしくお願い申し上げます。
〇〇大学 〇〇部 〇〇学科
△△ △△(氏名)
携帯番号:080-1234-5678
メールアドレス:〇〇〇〇@△△△△.ne.jp
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お礼のメール
海外事業部 海外事業開発課
△△ △△様
〇〇大学 〇〇部 〇〇学科の△△ △△と申します。
△△様からお聞きできた総合商社としての仕事内容が明確に理解でき、就職活動に自信を持つことができました。
重ねて御礼申し上げます。
〇〇大学 〇〇部 〇〇学科
△△ △△(氏名)
携帯番号:080-1234-5678
メールアドレス:〇〇〇〇@△△△△.ne.jp
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進路決定の報告・お礼のメール
海外事業部 海外事業開発課
△△ △△様
本日は、お世話になりました△△様に、御社内定を頂いた旨のご報告をしたくご連絡差し上げました。
〇〇大学 〇〇部 〇〇学科
△△ △△(氏名)
携帯番号:080-1234-5678
メールアドレス:〇〇〇〇@△△△△.ne.jp
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まとめ
ここまでお読み頂き、本当にありがとうございました。この記事がこれから就職活動を控えている方々の成功に繋がれば嬉しい限りです。
本記事では、学生時代に実際にOB訪問を経験した私が「これを読めば必ず分かる!間違えないメールの送り方」と題して、OB訪問をしたいけど何から始めたら分からないという方やなかなか行動に踏み切れないという方に向けて、詳しいOB訪問についての内容とメールの送り方について順を追って紹介して参りました。
最後に、OB訪問で最も大切なことは、あなたの情熱や企業に対する志望度をOBに向けていかに発信できるかという点だと私は考えています。もちろん、企業の方針などでOB訪問を受け付けていない場合もありますが、臆せずチャレンジしてみてください!きっと納得のいく就職活動ができると思いますよ!