【エントリーシート例文】コツから例文まで元人事が徹底解説!

就職活動において最初の関門であるエントリーシート。何をどのように書けば良いのか、自分の書き方が正しいのか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

本記事では、エントリーシートの3大設問である「ガクチカ」・「自己PR」・「志望動機」について、例文をもとに書き方のコツを徹底解説していきます。

設問の意図を正しく汲み取り、いかに自分の魅力や熱意を伝えるかが選考突破のカギです。

実際に採用担当をしていた筆者が、企業側の目線で解説していきますのでぜひ参考にしてください。

Mayuka
こんにちは。元人事ライターのMayukaです。
東証一部上場のメーカーで19卒〜21卒の採用担当をしていました。

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【エントリーシート例文】コツから例文まで元人事が徹底解説!

企業が見ているポイントから書き方のコツ、設問の意図と回答例を順に解説していきます。

エントリーシートは、書き方を工夫するだけで見違えるほどクオリティが上がります。本記事を参考にして、最も有効な書き方をマスターしましょう。

エントリーシートの目的は?企業が見ているポイント

エントリーシートの目的は、選考の効率化です。面接やグループディスカッションに進める人数を絞るため、そして面接をスムーズに行うための事前情報として、ほとんどの企業が導入しています。

そして、合否を判断するうえで企業が見ているポイントは次の4点です。

  1. 基本情報(学歴や資格)
  2. 行動特性・価値観
  3. 志望度
  4. 文章力

最後の文章力は、意外かもしれませんが実は重要なポイントです。もちろんエントリーシートに書かれている内容が一番大事ですが、仕事をするうえで文章力は欠かせません。表現力や論理性が乏しいと、評価が大きく下がってしまうので注意しましょう。

面接では会話でのコミュニケーション力が見られている一方で、エントリーシートでは文章でのコミュニケーション力が見られています。

内容はもちろんですが表現の仕方も気をつけることで、「実際に会って話してみたい」と思ってもらえるエントリーシートを目指しましょう。

書き方のコツ

エントリーシートを書くコツは、論理性・具体性・戦略性の3点を意識することです。それぞれ具体的に解説していきます。

論理的な文章を書こう

1つ目のコツは、文章構成を意識して論理的に書くことです。ただ思いの丈を書き殴るだけでは、熱意や魅力は上手く伝わりません。

論理的に書くためには、次の2つの方法が有効です。

STAR法

次のS→T→A→Rの順に話を展開する方法。どんな課題をどのように解決したのか順序立てて過程を伝えられるため、ガクチカで有効な手法です。

Situation:状況

Target&Task:目標・課題

Action:行動

Result:成果

PREP法
次のP→R→E→Pの順に話を展開する方法。根拠となる事実や例をあげることで説得力が増すため、自己PRや志望動機を伝える際に有効です。

Point:結論

Reason:理由

Example:具体例

Point:結論

設問ごとに上記の方法を使い分けて、論理的な文章を書けるようにしましょう。

後半で紹介する例文もこの方法を使っているので、そちらも合わせて参考にしてください。

具体的な内容を書こう

2つ目のコツは、数字を使って具体的に書くことです。抽象的な内容だと、読み手がイメージしづらいうえに、誰にでも当てはまるような凡庸な内容に感じられてしまいます。

例えば、「週に◯回、△時間練習した」や「◯人中△位の成績」、「前年比◯%」などという表現をすることで、努力具合や成果の大きさが相手にしっかり伝わります。

特に、他の就活生とテーマが被りがちな部活動やアルバイトに関するエピソードは、状況や成果を具体化することで周りとの差別化を図りましょう。

戦略的に内容を変えよう

3つ目のコツは、企業が求める人物像に合わせて戦略的に回答を変えることです。嘘をつく必要は全くありませんが、企業に合わせてガクチカや自己PRの内容を変えると、通過率が非常に高くなります。

求める人物像=「こんな人に内定を出します」という意味。企業がくれた選考突破の1番のヒントです。

挑戦意欲の高い人材が求められているのなら、過去何かに挑戦したエピソードを書くと効果的ですし、逆に堅実さをアピールしてしまうとマイナス評価に繋がります。

ガクチカや自己PRは複数用意し、企業ごとにベストな回答を選択するのが理想です。もし複数用意するのが難しい場合は、求める人物像に合ったエピソードはないか、改めて自己分析するのも一つの方法です。

Mayuka
私は就活生時代、ガクチカを3つ用意していました。
サークルで新しいことに挑戦した経験、アルバイトでお客様のニーズに寄り添い接客した経験、研究でコツコツ実験を重ねて成果を出した経験。
企業の求める人物像に合わせて、どのガクチカが最適か考え、戦略的に回答を変えていました。

【ガクチカ】ポイントと例文

ここからは、設問ごとに詳しく説明していきます。まずは、学生時代一番力を入れたこと、通称「ガクチカ」についてポイントと例文を解説します。

結果よりも過程が重要!ガクチカで企業が知りたいこと

企業はガクチカを聞くことで、主体性や問題解決力の高さを知りたいと考えています。

どの企業も、与えられた仕事をただこなす受け身な人ではなく、与えられた環境の中で自ら課題を見つけ、それを解決するために行動できる人材を求めています。そして、後者の人材かどうか見極めるのに最も適した質問がガクチカなのです。

つまりガクチカは、ただのエピソードとして書くのではなく、困難や課題をどのように乗り越えたのか、自分の問題発見力や分析力、実行力をアピールできるように書くことがポイントです。

大事なのは成果の大きさよりも過程です。なぜその行動を起こしたのか、どのように問題解決していったのか過程に重きをおいて伝えましょう。

悪い例

実際に回答例を見ていきましょう。ガクチカではSTAR法を使います。まずは悪い例から紹介します。

ガクチカの悪い例

S(状況):学生時代に最も力を入れたのは、カフェでのアルバイトです。

T(課題):始めは接客が苦手でお客様と上手くコミュニケーションが取れませんでした。

A(行動):先輩の接客方法や言葉遣いを真似し、常に笑顔で接客するように心がけました。

R(成果):自分から積極的にお客様に声をかけられるようになりました。

話が抽象的かつ周りとの差別化が難しい内容です。自分自身の問題解決力をアピールするためには、「最も困難だった出来事」や「自分だからこそできたこと」を書きましょう。

例えば、人手不足、新人の定着率、作業のマニュアル化、売上UP、顧客満足度など、アルバイトだけでも様々な問題が考えられます。

接客が苦手という自分自身の問題解決も大事ですが、組織の問題解決をした経験をアピールした方が、社会人としてのポテンシャルを示せるのでオススメです。

ガクチカがパッと思い浮かばない場合は、アルバイトや部活動など自分が属する組織において、過去どんな問題点があったか、それを解決するために自分はどんな行動をしたか思い出してみましょう。

良い例

次に、良い例を紹介します。先ほどの悪い例同様、アルバイトに関する内容です。

ガクチカの良い例
S(状況):カフェアルバイトでの新人定着率の向上に力を入れました。

T(課題):私が働いているカフェでは、新人の半数以上が3ヶ月以内に辞めてしまい、常に人手不足でした。作業が複雑で覚えられず、ミスをしてお客様からお叱りを受けてしまうことが辞めてしまう主な原因でした。

A(行動):そこで私は作業を簡易化するためにマニュアルを作成し、新人メンバーに配布しました。配布後はヒアリングも行い、分かりづらいところは修正を重ねました。

R(成果):その結果、今年度の新人は90%以上が定着し、作成したマニュアルは現在も新人教育で使用されています。

具体的な数字を盛り込むことで、努力レベルや成果の大きさが非常にイメージしやすく、問題解決力の高さを効果的にアピールできています。

また1文目で、どんな問題を解決したのかまで言い切ることで、読み手を一気に惹きつけているのもポイントです。

【自己PR】ポイントと例文

次に、自己PRのポイントと例文を解説していきます。自己PRとガクチカは似ているようで全くの別物なので、それぞれしっかりポイントを押さえて対策しましょう。

ガクチカとはどう違う?自己PRで企業が知りたいこと

自己PRで企業が知りたいのは、仕事で活かせる強みです。根拠となるエピソードや事実をもとに説得力をもたせ、入社後も活かせる長所をアピールしましょう。

根拠となるエピソードはガクチカと同じものでも問題ありませんが、伝えるべきポイントは異なります。ガクチカは問題を解決した過程、自己PRは長所を裏付ける事実が重要です。

また、周りと差別化できる自分ならではの強みを伝えるのがポイントです。

協調性や傾聴力といった多くの人が持ち合わせている基礎的なコミュニケーションスキルや、責任感や真面目さなど社会人としては当たり前と捉えられてしまうような強みは避けましょう。

悪い例

実際に回答例を見ていきましょう。自己PRではPREP法を使います。まずは悪い例から紹介します。

自己PRの悪い例

P(結論):私は粘り強い人間です。

R(理由):テニス部でレギュラーを獲得するという目標を掲げ、日々自主練習をしていました。

E(具体例):学業と両立しながら練習を続けるのは大変でしたが、諦めずに毎日練習を続けた結果、3年生からレギュラーになれました。

P(結論):目標を達成するまで諦めない粘り強さを、貴社でも活かしていきたいと思います。

PREP法により論理的に書けてはいるものの、抽象的で成果の大きさや努力量が伝わってきません。周りと差をつけるためには、次に紹介する良い例のように具体的に書きましょう。

良い例

先ほどの悪い例を書き直した、良い例を紹介します。

自己PRの良い例

P(結論):私は自ら目標を掲げ、努力し続ける向上心の高い人間です。

R(理由):テニス部でレギュラーを獲得するという目標を掲げ、大学2年生から1年間、毎日2時間自主練習をしていました。

E(具体例):今までレギュラーメンバーは高校からテニスを始めた経験者しかいませんでしたが、毎日諦めずに練習を続けた結果、大学からテニスを始めたメンバーで唯一レギュラーを獲得できました。

P(結論):貴社でも高い目標に向かって、粘り強く仕事に取り組んでいきます。

テーマは先ほどの悪い例と同じですが、具体性に大きな差があります。こちらの良い例だと、どのくらい努力したのか、どのくらい大きな成果なのかが明確に伝わってきます。

【志望動機】ポイントと例文

次は、志望動機のポイントと例文を解説していきます。ただ企業を選んだ理由を書くだけでは高評価を得られません。正しい書き方と書くべき内容を押さえましょう。

志望度はどうやったら伝わる?熱意を伝えるコツ

将来自分がやりたいことを述べたうえで、その企業を選んだ理由や根拠を伝えるのが正しい志望動機の書き方です。

企業の良いところをたくさん調べて一所懸命書いてくれる方もいますが、それは誤った書き方。企業はファンが欲しいのではなく、同じ志をもつ仲間が欲しいのです。

大事なのは「何をしたくて」その企業を志望するのか。仕事をする目的の部分です。自分のやりたいことやその理由について具体的に書くことが、熱意や志望度を伝えるコツです。

エントリーシートの段階では、他社と比較する必要はありません。自分が何をやりたいのかとことん自己分析し、自分の夢とその企業でできることを紐付けて志望動機を書きましょう。

志望動機の書き方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

悪い例

実際に回答例を見ていきましょう。まずは悪い例から紹介します。

志望動機の悪い例
  • 昔から貴社の商品を愛用しており〜。
  • 貴社の社風と人柄に惹かれたため〜。
  • 成長を遂げる貴社で、自分自身も成長していきたいと思い〜。
  • 貴社であれば自分のスキルを活かせると思い〜。

企業の良いところを褒めるだけで、自分が仕事を通してどんなことをしたいのか書いていないものは評価されません。

また、「成長したい」・「自分のスキルを活かしたい」という表現も要注意です。大事なのは「なぜ」成長したいのか、「なぜ」スキルを活かしたいのかという目的の部分。成長することやスキルを活かすこと自体が志望理由とならないようにしましょう。

良い例

次に、良い例を紹介します。志望動機を伝える際は、PREP法を使います。

志望動機の良い例
P(結論):私は、食を通して世界中の人々に幸せを届けたいと考えています。

R(理由):タイでのボランティア活動を通して、食は生活において最も重要で、国境や人種を越えて人を繋ぐ力があると感じ、食を通して世の中に貢献したいと考えるようになりました。

E(具体例):数ある食品業界の中でも、貴社は特に海外事業に力を入れており、その貢献性の高さに惹かれました。

P(結論):貴社の国際事業部で働くことで、世界中の人々に食を通して幸せを提供していきたいです。

自分が将来やりたいことと、企業を志望した理由をしっかり繋げて書けています。過去の実体験をもとに説明することで、意思や熱意が伝わる内容となっています。

エントリーシートで注意すべきこと

エントリーシートは内容が最も重要で、論理的かつ具体的に書けているかがポイントです。しかし、いくら内容や書き方が良くても、以下に当てはまる場合は評価が大きく下がり、最後まで読んでもらえない可能性があるので注意しましょう。 

  • 誤字・脱字がある
  • 略語や話し言葉を使用している
  • 文字数が規定の8割未満
  • 設問と関係ない内容を書いている
  • 字が汚く読みづらい(手書きの場合) 

    客観的に見て印象は悪くないか、読みやすい文章になっているか、提出前に必ず見直しましょう。

    まとめ

    本記事では、エントリーシートの書き方のコツと頻出設問の例文を解説してきました。

    エントリーシートは、設問の意図を読み取り、論理性・具体性・戦略性のある文章を書くことで格段に質が上がります。

    ぜひ本記事を参考にして、自分の魅力と熱意を最大限に伝えられるエントリーシートを目指しましょう。

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